最近の新書ブームってのは、「風俗店の急増」にたとえられるかもしれない。
2007年 02月 22日
もう関係者の方々、読書人の方々も薄々気がついているのでしょう。上の記事を読んで、ちょっと自分の言葉で書きたくなったので。
そろそろ新書版「アタリショック」=供給過剰や粗製濫造により、ユーザーが新書に対する興味を急速に失い、市場需要および市場規模が急激に縮退する現象=がいつ起きても不思議でない情況になっていて、しかし出さないと書店の本棚を確保できないし、売れるうちに売っておけというような、もう誰も引き下がれないチキンゲームの様相なのでしょうか。
ただ、僕は風俗童貞なので、どこまで上手くたとえられるか、わからんのだけど。
ある街に、何かの拍子で、「安さ」が売りの風俗店(=新書)が急増したとする。
「いやぁ、いま風俗やらないとダメでしょう」「やっぱり、風俗、儲かりますって」
そんな言葉があちこちでささやかれ、もともと<老舗>しかなかった街に、次々と新しいお店がオープンした。
ところが、ここで問題になるのが、店で働く女の子(=著者)の確保だ。
どの店も理想としては、いい子(見栄えがいいとか、テクがあるとか?)を揃えたい。
けれど、あちこちで女の子を募集しているから、いい子を確保するのは困難だ。
もちろん、この状況を聞きつけて、未経験の子(=新書、あるいは本を書いたこともない著者)だって応募してくる。
店のほうでは、この素人っぽさがいいかもしれないなどと言いながら、時間もないし、ろくに研修(=編集)もせずに、女の子を店に出す。
こういう子って新鮮だなーと思うお客さん(=読者)もいるだろうけど、昔からの客は女の子の質が落ちたなぁ、といってその店からは足が遠のく。
こういった店とは逆に、ベテランの女の子?(=何冊も本を書いた著者)を、かき集めるお店もある。
何しろベテランだから、仕事の質は保証できる。
また、上手く力を抜くコツを知っているからか、短期間に連続してお店にも出てくれる(=短いスパンで何冊も書ける)。
だけど、お客さんからしたら、「この子、前も他で見たよねぇ」という感はぬぐえない。
上手いのはわかるけど、仕事に意外性がない。
ようは、もう飽きているのだ。
こんな状況だから、スカウトマン(=編集者)に、「もっといい女の子をつれて来い」と怒声が飛ぶ。
けれど、イマドキのスカウトマンは必ずしも眼力がある人間ではないし、たとえ「いい子」を見つけたとしても、その子にはすでに他の店のスカウトマンが殺到していたりする。
そもそも、そんなに「いい子」がわんさかいれば、初めから苦労はしないのだ。
う~ん、はたして上手く、たとえられているだろうか。
あまり自信はないけれど、いちおうの結論を書こう。
急増した風俗店の中には、いい子を揃えられず、撤退する店が出るだろう。
いや、それ以前に、あまりに店が多すぎて、一部の話題店以外は忘れられる危険性もある。
だいいち、いくら「安さ」が売りの風俗店といえ、お客の財布には限度がある。
ここまで増えた風俗店が、どこも順調に営業を続けられるのだろうか?
いつかはわからないが、きっと、淘汰の時期が来るだろう。