経営者には、「毒」を飲むことも必要か?
2007年 03月 05日
これは、聞いた話の受け売りなんですけど、「リスクとハザード」という考え方があって、この場合は、リスクを危険性、ハザードを毒性と訳せばわかりやすいんですけど。上の話にからめて、少しだけ会社についての話を書きます。
たとえば、マムシっていうのは、毒蛇ですからハザードが高いんですね。でも、リスクは低いんです。
つまり、東京に住んでいるぼくらはふだんマムシと近い場所で暮らしてませんから。
もちろん、山間部にいる人たちにとってはリスクが高くなりますけど、ふつうに都市で暮らしている人にとってはマムシというのはそれほどリスクは高くない。
ところがいまは、メディアの影響もあって、リスクとハザードが渾然となってしまっているんですね。
たしかに、危ないものは危ないんだけど、それがどのくらいぼくらにとって影響を及ぼすかっていうのはそれぞれの位相で論じ合わなきゃいけない。
でも、なにかが危ないとなると、それだけで大騒ぎになってしまうんですね。
*森達也の発言。読みやすいよう、改行をかなり直しました
会社がいろいろな商品、サービスを展開しようとするとき、「ハザード」が高い計画がたまに出てくると思います。
これはべつに、人体にとって毒だという意味ではありません。
ユニークすぎて下手をしたら大コケしそうな商品のアイデアとか、特定の人たちから反感を買って物議をかもしそうなサービスとか、そういう意味での「ハザード」。
でも、そういったものを、「毒」だからという理由で全部ボツにするのは、会社にとって、あまりよくないことだと思います。
商品やサービスの「毒性が高い」からこそ、話題になったり、予期せぬ大ヒットが生まれたりすることもあるでしょう。
その「毒」は「薬」になるかもしれない、という発想がなければ、会社はいつまでも「安全な」ものしか生み出せなくなります。
会社の規模とも関係しますが、「体力」があれば、多少の「毒」には耐えられます。
出版社を例にとるならば、年に100冊、200冊と本を出す版元であれば、一点、二点「毒性」が高い商品を出したところで、命を危うくするほど「リスク」が高いとは思われません。
けれども、会社によっては、それに「毒」があることだけが問題にされ、「これは危険だ」とボツにされることもある。
僕は経営の素人ですから、的外れなことを言っているのかもしれません。
ただ、経営者に大事なのは、決して「毒」を飲まない臆病さなんでしょうか?
それよりも、ときに「毒」を飲み干す勇気のほうが必要な気がします。

