出版社の編集長は、どれくらい偉いのか?
2007年 03月 30日
(メルマガ:コンサル出版フォーラム 経営コンサルタント探しの「経営堂」)
<編集長A>
中年男、昔ならすでに初老、ひょっとしたら社長になれるかもしれないが、最近やや勢いに欠けるところあり。老眼も進んできたし、いつまでも現場じゃないなと思い始めている取締役編集長。
本多(以下ほ):どうも、久しぶりですね。今日は素朴な疑問から
お聞きしたいと思います。まず、疑問その一
「編集長って偉いの?」
A:「自分で自分のことを偉いって言うやつは普通いないだろ。
まあ、いいでしょう。一般論で言って雑誌の編集長はけっこ
う偉いが単行本の編集長はそれほどでもない。後は本多お前
が説明しろ」
ほ:はい。雑誌の編集長は自分の意思で雑誌の企画すべてを決め
られる。いわば雑誌における社長みたいなもの(広告は別)。単
行本の実務は、各編集者の単独行動が多いので、編集長は
全体の進行とか人事考課とか、一般企業の課長みたいなも
の、 ということでいいですか。
A:「課長といわれると役員の俺としては面白くないが、まあ、そ
んなところか。雑誌の編集長は企画決定の権限があるが、
単行本の企画は編集長決済ではできない。
大抵、社長以下営業部長も含めて幹部の総意で決めるのが
普通だ。超大手でも企画会議に社長が出てくることはあるし、
社長はいなくとも担当役員は必ず出席する。単行本の編集
長は編集部という集団に責任を持つということだわな」
ほ:企画を通す力はないんですか。
A:「どんな企画でも通せる人っていったら社長しかいないだろう
な。でも、まあ、実績があったから何とか編集長に収まってい
るわけで、俺が首を賭けて主張すれば多分その企画は通るだろ
う。失敗したときのことを考えるとそんなことする気にならな
いけど」
出版業界以外の方が、「編集長」という存在にどういうイメージを抱いているのかはわかりません。
しかし、少なくとも、書籍(編集部)の「編集長」については、上に引用したように、絶大な権力があるわけではないことが多いと思います。
もっと言えば、出版社も普通の会社組織ですから、基本的には、
「企画書書いて→会議にかけて→(稟議書回って)決裁が下りる」
という工程で動いています。
なんで、モノによっては根回しが必要だったり、「政治的な理由」が決裁に影響したりということも。
僕の場合、そういうのが苦手なんでこの業界を選んだところもあるんですが、どこに行っても、会社は会社ですよね……(もちろん、会社の規模・環境で例外はあるでしょうが)