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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

メディアというやつは、「伝えたいこと」を「伝えたいように」伝えたがる。

下にリンクした記事、すべて「障害者に関する世論調査」(内閣府)についてのものなんですが……

「障害者への差別・偏見ある」8割超…内閣府世論調査(YOMIURI ONLINE)
障害を理由にした差別、「ある」8割超す 内閣府調査(asahi.com)
障害者調査:差別や偏見、8割強が「ある」(MSN毎日インタラクティブ)
障害者への差別や偏見、「ある」が8割超・内閣府調査(NIKKEI NET)
障害者の手助け、7割が「経験あり」 世論調査のたびに増加(Sankei WEB)

皆さん、これを見て気づかれたことがありますか?
そう、一番下の産経の記事だけ、見出しがまったく違うんです。

(ここに挙げた)ほかの4紙は、すべて、
<障害者への差別や偏見があると思うと答えた人は全体の8割を超えた>
ことを見出しでアピールしています。

それが、間違いだという気はありません。

でも同時に、産経が伝えたように、
<約7割の人が障害のある人の相談に乗るなどの「手助け」経験がある>
という調査結果も出ているのです。
*このデータを産経以外で伝えたのは、(ほかの4紙では)読売だけ


障害者にたいする理解や支援がいぜん不足しているというのは、きっと、各紙が伝えるとおりなのでしょう。

けれど、今回の調査では、そういったネガティブな状況だけが伝えられているわけではありません。
この「手助け」経験について以外にも、
<5年前に比べて差別や偏見が改善されたと思うか」の質問では、「改善されている」が57.2%で、「改善されていない」の35.3%を上回った>
という結果が出ています。

ところが、毎日の記事にいたっては、これらの情報がまったく載っていません。
これでは、毎日だけ読む(webで見る)人と、産経だけ読む(webで見る)人では、今回の調査についてだいぶ違った印象を受けるはずです。


もちろん、人によっては、今回の産経の取り上げ方のほうがオカシイのだ、という人もいるでしょう。
それは、本当にそうなのかもしれないし、人によっては意見が分かれるところかもしれない。

ただ、一つだけいえるのは、どんな新聞でも(あるいはどんなメディアの媒体でも)、けっきょくは「伝えたいこと」を「伝えたいように」伝えたがる傾向があるということです。

その癖が各媒体の「個性」といわれればそれまでかもしれませんが、ともかく癖や偏りが存在する、というのを頭に入れるのが、メディアとの付き合い方の第一歩なのだと思います。

当たり前っちゃ当たり前のことですが、顕著な例を見つけたので、珍しくかたいことを書いてみました。
by aru-henshusha | 2007-04-08 00:39 | マスコミ全般