あなたの持ち込み企画が、通らない理由。(「シーズ」はわかった。で、「ニーズ」は?)
2007年 05月 22日
きちんと記録をとったわけではないが、僕のもとに10本企画が持ち込まれたとして、そのうち1本採用すればいいほうだろう。
もっとも、これも僕がイケると思っただけのことで、実際に会議にかけたら不採用という場合もある。
(採用されない)持ち込み企画の何が悪いか。
一言で言えば、「シーズはあっても、ニーズがない」という点だろう。
「シーズ(Seeds)」とは「種」という意味で、一般的には企業が開発した新しい技術のことを言う。
が、ここでは「(企画の)タネ、ネタ」という程度にとらえてほしい。
企画者は、自分の仕事や趣味の分野で蓄積した「シーズ」を本にしたいと企画書を持ってくる(or送ってくる)。
たとえば、僕が15年のサラリーマン生活で学んだある仕事のノウハウを、本にできないかというように。
でも、それだけではダメなのだ。
それらの「シーズ」が、読者の「ニーズ」を満たすと判断できなければ、その企画を採用できない。
ここには実例を出せないが、持ち込み企画には「いったい、誰が読むんだろう?」と思うようなものが少なくない。
自費出版なら、それもいいだろう。けれど、僕がやっているのは商業出版、ビジネスである。
ある程度の読者が期待できる企画でなければ、GOは出せない。
出版社に企画を持ち込んでもなかなか通らない人は、まずはその企画の「ニーズ」の有無を考えるべきである。
これは何も出版に限った話ではなく、「ものづくり」なら当たり前のことではなかろうか?
「ニーズ」に対して、自分の「シーズ」が活かせるような企画の切り口を考える。
そうやって、まず読者のことを考えて企画しなければ、なかなか採用はおぼつかない。
書きたいことだけを書いて、本を出し続けている著者など、ほぼいないと思ったほうがいい。