ペッパーランチ事件で、本当に怖いこと。
2007年 05月 24日
「ペッパーランチ事件」の怖さ(日経レストラン ONLINE - 編集長の机から)
先週、トンデモない事件が発覚しました。ステーキ店「ペッパーランチ」大阪心斎橋店の店長と友人のアルバイトが、閉店間際に来店した女性客に睡眠薬を飲ませたうえ、拉致、監禁、暴行を加え、財布からお金まで盗んでしまったというものです。この記事を書いた遠山さんは、「日経レストラン」という雑誌の編集長。
(中略)
責められるのは、本人たちであり、本部も監督責任を問われて仕方がないと思いますが、気になったのは、この事件の「風評被害」です。ブログ等でこの件について書き込みをしている人たちの発言を見ると、「夜は怖くて、店に入れなくなった」という声がそこかしこにありましたし、編集部の女性陣も、「ちょっと怖いね」とささやいていました。
近年、「おひとりさま」と呼ばれる、女性の一人客が増え、一つの市場を作りつつあるだけに、余計に影響が大きいかもしれません。今週に入ってからは、さほど騒がれていないのが幸いですが、事件の続報が出てくると、またぞろ騒ぎになる可能性も十分にあります。
飲食店は「安心して入れる場所」という信頼感があるからこそ、成り立っています。こうした事件が続くようだと、その信頼感も崩れかねません。こうなると、ことは「ペッパーランチ」だけの問題ではなくなってきます。
(中略)
簡単に起きる事件ではないとは思いますが、こうしたことが二度と起こらないことを望みます。
同誌は、<飲食店、外食チェーンからホテル・旅館の飲食. 飲食ビジネスの集客情報誌>と銘打っていますから、今回の事件が飲食業界に与える影響を心配するのは当然でしょう(ビジネスとしても、それ以外でも)。
僕自身も、飲食関係の本を何冊か作ったことがあり、同じような懸念はもっておりました。
でも、遠山編集長が言うように「こうしたことが二度と起こらないこと」で、信頼感は回復するのでしょうか?
僕は、ペッパーランチ事件の本当の怖さは、「よくわからないこと」にあると思います。
遠山編集長は「今週に入ってからは、さほど騒がれていないのが幸い」と書いていますが、むしろ、さほど騒がれていない(報道されない)現状が、僕にはとても怖いです。
街の飲食店で食事をしようと思っただけなのに、こともあろうにその店の店員に拉致監禁され、暴行され、お金を奪われる。
こんな事件がなぜ起きてしまったのか?
似たような被害がほかにもあるのではないか?
へたをしたら、組織的な犯罪ではないのか?
共犯者がいて、まだどこかに潜伏しているのではないか?
ペッパーランチという企業は事件とどれだけのつながりがあるのか?
こういった疑問に対する答えが「よくわからない」まま、報道がどんどん少なくなっていくことが、少なくとも僕にとっては、本当に怖い。
事件の再発防止は当然のこととして、可能な限り事件の背景や全容を解明することが、いま一番大事なのではないでしょうか?(ひいては、それが再発防止につながるとも思いますしね)