キャッチコピーは、「引き算」で考えたほうがいいのかもしれない。
2007年 06月 01日
広告とは、演出することではなく、むしろ、本質に向いていくこと。つまり、洋服を着せるのではなく、裸にしていく。で、たったひとつ残ったものが、その商品のユニークであり、コンセプトになる。この言葉を知って、僕は本の(帯)コピーにも似たようなことが言えるかもしれない、と思いました。
自分なりの言葉で言うと、「引き算のコピー」のほうがいいというか。
たとえば、下に掲載したような本のコピーは、「足し算」あるいは「かけ算」の発想でつけられたのだと思います。

判型が大きい本だからというのもありますが、とにかくセールスポイントを列挙し、「足して」いく。
上の鈴木聡さんの言葉になぞらえて言うなら、どんどん服を重ね着したあとに、アクセサリもジャラジャラつけていく。
こういうコピーが悪いというわけではないし、こういうコピーがハマる本・ジャンルも存在すると思います。
でも、このように「足し算」だけでしかコピーを考えられないとしたら、困る場面もきっとある。
僕自身、昔は「足し算」型コピーばかりつけてたんです。
けれど、あまりに足し算がすぎると、その本で言いたいことがボケて受け取られる危険性も高まります。
そのため、最近では、いろんなコピー案を出すだけ出したあとに、できるだけ「絞込み」をして、優先順位が低いコピーは「引いて」いきます。
さすがに、たったひとつを残すところまでは引きませんが(大体、メインコピー+サブコピーのセットでつくります)、余分なものを除いたあとに残るコピーは、やはりそれなりに強いと思うのです。