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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

「人が嫌がるようなこと」をやることが自分のためになる、本当の理由。

久しぶりの更新は、ちょっといい話のご紹介からさせてください。

岡山(週刊誌記者の日記)
まだ新米の新聞記者だったころ、盛岡でキノコ採りやソバ打ちに励んでいた支局長から、「小さくて面倒でも、人の嫌がる仕事を率先して引き受けろ。それが必ず自分のためになるから」と教わった。ファクスの紙を取り替えたり、ゴミを片付けたり、苦情の電話を受けたり、勧送迎会の幹事をやったりと、およそ記者としてはどーでもいいようなことばかり。そういう努力を誰かが気づいて褒めてくれるのか? どう自分のためになるのかは教わらなかったけど、とにかく支局長が好きだったので、東京に来てからも宗教のように引き続いて率先してきた。それが、昨年あたりから意味が分かってきたような気がする。ファクスの紙を取り替えたり、ゴミを拾ったりする他の人の姿が見えてくるんだ。編集部の外へ出てもそう。人のちょっとした優しさとか、気配りとか、目に見えない努力とかに、気がつける感覚を身につけてたんじゃないかと。
「人が嫌がるようななことを率先してやろう」なんて言葉は、自己啓発本の中にもよく出てきます。
でも、そういう話の「オチ」って、わりと次のようなパターンになることが多いんですよね。

人が嫌がるようなことを、自分が率先してやる
   ↓
その自分の頑張りを、誰かが見てくれている

(ひいては、自分が得をする)

でも、リンク先で(「週朝」の)藤田さんが言われているのは、

人が嫌がるようなことを、自分が率先してやる
   ↓
自分と同じことをしている、他人の頑張りに気づけるようになる

(得をするのは、むしろ他人)

ということだと思うんです。それが、僕にとっては、ちょっと新鮮で。


もちろん、「人の頑張りに気づける力」は、ビジネスマン、とくに人の上に立つ立場の人間にとっては大事なことでしょう。
藤田さんの上司は、そんな先のことまで考えて、この言葉を言ったのかもしれません。

だけど、その「真意」(と僕が勝手に決め付けていますが)に気づくのは、なかなか難しいことですよね。
僕だったら、まずは自分の頑張りを認めてくれ、と思うだろうなぁ……
by aru-henshusha | 2007-09-06 13:03 | 名言・言葉