いちばん好きなことだからこそ、僕はそれを仕事にしたい。
2007年 11月 02日
私が将棋というひとつのことを続けることができたのは、何よりも将棋が好きだったという理由が大きい。「一番好きなことは仕事にしてはいけない」という見方もある。だが、私は思う。二番目に好きなことでは、トップにはなれない。ほかのどんなことよりもそれが好きでなけなれば、なにがなんでも「いちばん」になろうとは思えないだろうし、そのための創意工夫もなおざりになる。(谷川浩司『構想力』173ページ)僕は谷川氏と違って業界のトップを狙えるような人間ではまずないだろうけど、それでも「一番好きなこと」を仕事にしたい。
いや、「一番好きなこと」でなければ続かない、と言ったほうが正しいか。
ビジネス書の編集者をしていると、自分とは異なる業界・職種の世界を垣間見ることがある。
IT、飲食、小売、住宅、PR会社、スポーツビジネス、講師業、士業、エトセトラ……
どんな仕事も、それぞれ、大変そうである。
もちろん、編集という仕事だって大変には違いない。
自分が好きな本にまつわる仕事だからこそ、理想と現実の板ばさみで悩むこともある。
けれど、好きだからこそ、僕はそういった辛さも我慢できる。
また本が作れるのなら、多少の苦労は仕方がないと思うことができる。
他の仕事でも同じ我慢ができるかと聞かれたら、少なくとも僕はできない。
好きでもない女を命がけで守れないように、好きでなもい仕事に、僕は自分をかけることができない。
これはあくまで僕の考え方だから、他の人の仕事観をとやかく言う気はない。
好きなことは趣味のままでという人、そもそも仕事に好き嫌いを持ち込まない人、色々いればいいと思う。
ただ、僕は僕で、編集という仕事とプライベートの切れ目もハッキリしない職についている今、もしもこの仕事が好きでなかったらと思うと、ゾッとすることがある。
好きだから頑張れる、好きだから続けてる。
小学生みたいに単純だけど、そのシンプルな愛情こそが、僕の編集者人生を支えてきたのだと、つくづく思う。

