本物の感動を味わうには、「長い時間」が必要だ。
2007年 12月 25日
(以下は、聴き手との対談中、「感動」について語った手塚治虫の言葉)

感動するってことは、本人の性格にもよるし、雰囲気にもよるし、状況にもよるし、文体とか、いろんな要素が入っちまってると思う。一種条件反射のような所もあるし。だけどほんものの感動っていうのは、それがその後ずっと強迫観念のように心に残っていてね、それがふとした時に、それに刺激された行動に走った時そうだといえる長い時間が必要なんですね。
(『漫画の奥義 作り手からの漫画論』 272ページより)
見出しではあえて「本物の感動」という言葉を使いましたが、
僕自身は映画や本などで得られる「その場限りの感動」がニセモノだと言う気はありません。
モノをつくる人間としては、そういった「短期的感動」を呼び起こすのにも、
それなりの苦労がいるということはわかっているつもりですし。
ただ、同時に、モノづくりに携わる身としては、手塚治虫がいった「長期的感動」につながるようなモノを、一つでも二つでも、世に出せたらと思います。
たとえビジネス書という範疇でも、年間数冊は、そういった本が出ているでしょうしね……