あなたの恋愛は、「地理派」? 「歴史派」?
2008年 04月 14日

『やわらかい話―吉行淳之介対談集』
なかでも、寺山修司をゲストに迎えた回の、次のやりとりが印象深くて。
吉行 女性に関して、地理派と歴史派とあるというのは、寺山さんがいい出したんだろう。
寺山 そうです。
吉行 つまり、駅弁でも買うように、手広くやるのが地理派で、歴史派というのは、一人の女を深く追求するタイプであると。そこでおれのことを地理派だといっていたけど、あなたはどっちですか。
寺山 ぼくも地理派ですね。
吉行 そうかねえ。
寺山 日本は、歴史派の漁色家を非常に尊ぶ傾向があって、地理派はあまりはやらないですね。
吉行 しかし、歴史派は相手が一人だから、漁色ということにはならないだろう。
寺山 いや、一人の女から百人分を引き出すという意味では、やっぱり一種の漁色ですよ。これも一つの才能だと思う。
吉行 おれ、わりにその才能もあるんだよ。
寺山 それじゃ、社会科全部だな、地理も歴史も(笑)。(同書147ページより)
この分類にしたがうと、僕は根っからの「歴史派」ですね。
これは、女性に対してだけではなくて、本も服も飲み屋も同様で、一度気に入った作家、ブランド、居酒屋以外をあまり開拓しようという気がしないんです。
本業ではさすがに新しい著者を開拓していますが、本当は同じ著者の次回作を担当するのも好きなんですよねぇ……。