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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

編集者が、スターになる時代。

読みたい人がいるかどうかわからないが、久しぶりに仕事の話。

先日、某出版社のお偉いさんと飲む機会があり、そのとき、こんなことを言われた。

これからの編集者は、もっと名前を出してもいいんじゃないかな?
たとえば、著者があとがきで自分の名前を出してきたら、削らなくていいからさぁ。
その本が売れて、自分の名前を売って、**さんに編集してもらいたいって著者が来るようにならなきゃ。
21世紀は、編集者がスターになってもいいと思うんだ


ここで、すこし補足する。
本のあとがきを見ると、たまに担当の編集者の名前が載っていることがある。
一緒に仕事をした仲間の名前を載せるのだから、べつにいいじゃないかと思う人もいよう。

しかし、出版界では、「編集者=黒子」という考え方が根強い。
編集者はできるだけ目立たないようにすべし、と考えている出版社・編集者が少なくないのだ。
だから、会社・上司によっては、著者が担当編集者の名前を書いてきても、削るように指導することがある。
実際、先述のお偉いさんも、以前はそうしていたそうだ。

けれど、彼はある時期から、自分の名前を意図的に担当した本に入れ始めた。
すると、彼のもとに「あなたに編集してもらいたい」という著者が、続々と現れたというのだ。

むろん、彼は業界ではトップクラスの才能を有する編集者だから、他の編集者がマネをしたところで、みなそうなれるとは限らない。
むしろ、こんなしゅもない本を作りやがってと、名声を下げる編集者のほうが多いかもしれない。

自分の名前を出すということは、責任を、全面的に負うことである。
それは、とても怖いことだけど、それゆえに、より真剣に仕事に取り組むようになるだろう。

「編集者=黒子」というのは、じつは編集者の言い訳なのかもしれない。
by aru-henshusha | 2005-02-27 01:15 | 本・出版